■リタと

「ねえ」
「はい?何でしょうモルディオさん」
「…。そのモルディオさんってのやめてくれない?」
「え」
「別に私は貴族でも何でもないし、それにガチガチの敬語使われるの苦手なのよね」
「あー…じゃあ、リタ?」
「ん」

「何かリタとって仲いいよね」
「…あれ仲いいって言うのか?」
「ちょっと羨ましいです…」
「わふ」



■懐中時計

「あの、?」
「ん?」
「さっき門番の騎士に何を見せていたんです?」
「ああ、これこれ」
「高そうだな」
「高いよ?はい、エステル」
「!!!、これ…!」
「うん」
「?エステルが顔色変えるほどのものなのか?」
「うーんまあこれ代行証みたいなものだし」
「は?」
「グランヴィル家には、家宝として当主が有事の際にその権限を一時的に譲渡する事を許可している証の懐中時計が存在してるんです」
「懐中時計…おいまさか」
「これ」
「……」
「まあ有事なんて全然ないんだけどねー」
「…お前実はすごい奴なんだな…」
「実はって余計じゃないかな!」



って

「グランヴィル?え、グランヴィルの使用人!?」
「正確には跡取り息子の家庭教師?」
「もっとすごいよ!!何で言わなかったのさ!」
「そういう反応されると思ったからだよカロル…」
「カロルでも知ってんのか?」
「知ってるも何も!グランヴィルって言ったらギルドの間でも有名だよ!」
「そうなのか?」
「まあ交友深いギルドとか多いよ。あと魔導器研究の分野にも足を伸ばしてる。そっちは私さっぱりだけどね」
「だからリタがグランヴィルに反応したんですね」
「うん。あの子の家には一度行った事あるし」
「…」
「ん?どうしたのカロル」
「何かユーリがの事ぼかして教えてくれた理由がわかった気がするよ僕」
「何かさらっと貴族の使用人っぽくないって言われた気がする」



■不法侵入

「ところで!!」
「え、えっ何?エステル」
「ユーリ達に不法侵入するよう唆したと聞きました!」
「いっ!?あ、あのイケメンさらっと裏切りやがって…!」
はアルスの先生なんです。もっと淑やかさというものを…」

「…ユーリ…」
「悪かったから睨むな、そんな恨めしそうに睨むな。今度は一緒に怒られてやるから」
「エステルって怒ると怖いんだね…」



■ほっとした

「フレンここにもいなかったな」
「私遺跡にもいない気がしてきた…二度ある事は三度あるって言うじゃない」
「それならハルルに戻ればいいだけだ」
「まあそうなんだけどさ」
「俺としては会えない方が心情的にはほっとするというか…」
「え、そうなの?」
「騎士団に追われてるなんてばれたら絶対切りかかられるしな…それにお前もいるし」
「前者はまあ想像つくけど後者は別に怒らないんじゃない?誘拐と言っても私が承諾してるんだし」
「いやお前をさらった云々じゃなくてだな…」
「?」

(あいつ絶対嫉妬で切りかかってくる気がする…)







盲目っぷりを目の当たりにした事あるのはユーリだけ
20111222